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2026年10月29日

役員の退職金、まだ保険だけで積み立てますか?企業型DC・中退共・保険の違いと組み合わせ方

#企業型確定拠出年金

結論:社長・役員の退職金づくりに、中退共は原則として使えません(従業員のための制度のため)。役員も加入できる企業型DCは、掛金を積み立てるとき・運用している間・受け取るときのそれぞれで税制の優遇がある制度で、選択肢に残ります。保険は本来、目的に合わせて入るもので、退職金に使う場合は解約返戻金にかかる税金まで考える必要があります。目的に合わせて制度を組み合わせる。これがこの記事の答えです。

公開日:2026年10月29日 最終更新:2026年10月29日 監修:志田俊介(株式会社ウェルスゲート 代表取締役)

この記事でわかること

  • 中退共と小規模企業共済が、社長・役員の退職金に使えるかどうか
  • 企業型DCで役員の退職金を準備するときの仕組み
  • 保険を退職金に使うときの注意点(解約返戻金と税金)

社長・役員の退職金、どの制度が使える?

中退共(中小企業退職金共済)は、従業員のための退職金制度です。会社が掛金を負担し、退職した方には運営する機構から直接退職金が支払われます。役員は原則として加入できません。社長・役員が自分の退職金を会社の制度で準備するなら、役員も加入できる企業型DCが選択肢になります。

  1. 役員が入れるか:中退共は原則入れない。企業型DCは入れる
  2. 会社の規模の条件:小規模企業共済は従業員数に条件がある
  3. 受け取るときの税金:会社や本人に、どんな税金がかかるか
https://www.youtube.com/watch?v=WeI5DcsedFU
動画で見る:役員の退職金、まだ保険だけで積み立てますか?
関連動画【役員退職金】まだ保険だけで積み立てますか?企業型DC・中退共・保険の違いと組み合わせ方(企業型DCちゃんねる)【役員退職金】まだ保険だけで積み立てますか?企業型DC・中退共・保険の違いと組み合わせ方(企業型DCちゃんねる)

中退共・企業型DC・保険の違い

1. 中退共:従業員のための退職金制度

中退共は、会社が掛金を負担し、退職した従業員に機構から直接退職金が支払われる制度です。役員は原則として加入できません(使用人としての職務を兼ねる「使用人兼務役員」は、加入できる場合があります)。また、加入して間もなく退職すると、受け取る額が掛金の合計を下回ることがあり、掛金を納めた期間が1年未満の場合は退職金が支払われません。短い期間で辞める人が多い会社では注意が必要です。

2. 企業型DC:役員も加入できる

企業型DCは、毎月の掛金を積み立てて運用し、原則60歳以降に受け取る制度です。役員も加入でき、掛金を積み立てるとき・運用している間・受け取るときのそれぞれで税制の優遇があります。会社にとっても、社員が給与から掛金を出す場合(加入選択型)は社会保険料が軽くなる場合があること、継続的な投資教育の機会になること、求人票に「退職金制度あり」と書けることがメリットです。設計によっては、社員は給与から、役員は会社から掛金を出す、という組み合わせも考えられます。なお、役員にも給与から掛金を出す形を当てはめる場合は、税務上の「定期同額給与」との関係に注意が必要です。設計の際は税理士にご確認ください。

3. 保険:目的に合わせて入るもの

生命保険は本来、社長に万一のことがあったときに社員の給与や会社の運転資金を確保するなど、目的に合わせて入るものです。退職金に使う場合は、保険を解約して受け取った解約返戻金を、退職金の支払いにあてる流れになります。ただし、保険料の全額を損金にできる保険は限られており、解約返戻金は会社の利益(益金)として計上されることがあります。税金を考えたうえで退職金を支払う必要があり、受け取る側にも税金がかかります。

4. 3つの制度を並べると

中退共企業型DC保険(法人契約)
役員の加入原則できないできる契約できる
お金の出どころ会社(掛金)会社(掛金)。設計により給与から出す形も会社(保険料)
受け取り退職時に機構から本人へ原則60歳以降(一時金・年金)解約返戻金を会社が受け取り、退職金として支払う
会社の税金掛金は全額損金会社が出す掛金は全額損金保険料を損金にできる範囲は限られることが多い。解約返戻金は益金になる場合がある
注意点短期で辞めると掛金を下回る原則60歳まで引き出せない目的に合わせた保険選びが前提
志田俊介

役員の退職金を考えるとき、まず「何のための制度か」を確かめてください。中退共は従業員のため、保険は万一のため、企業型DCは老後のため。目的がわかれば、組み合わせ方も見えてきます。

役員の退職金を準備するときの注意点

注意点

  • 小規模企業共済には従業員数の条件がある:常時使用する従業員が20人以下(商業・サービス業は5人以下)の会社の経営者などに限られます。従業員が増えると加入できません。
  • 保険は目的に合わせて:退職金のためだけに入るなら、解約返戻金にかかる税金まで含めて比べてください。
  • 制度は組み合わせられる:企業型DCと保険、従業員の数によっては小規模企業共済など、目的ごとに組み合わせて考えます。

よくある質問

社長や役員は中退共に入れますか?

原則として入れません。中退共は従業員のための退職金制度です。社長・役員の退職金を会社の制度で準備するなら、役員も加入できる企業型DCが選択肢になります。

役員の退職金を保険で積み立てるのはだめですか?

だめではありません。ただし保険は本来、目的に合わせて入るものです。退職金に使う場合、解約返戻金は会社の利益として計上されることがあり、税金を考えたうえで支払う必要があります。

企業型DCと保険は、どう組み合わせればいいですか?

老後のための退職金づくりは企業型DCで、万一のときの備えは保険で、と目的で分けるのが基本です。従業員の数によっては小規模企業共済も選択肢になります。具体的な組み合わせは、会社の状況に合わせてご相談ください。

まとめ

社長・役員の退職金に中退共は原則として使えず、役員も加入できる企業型DCが選択肢に残ります。保険を退職金に使う場合は、解約返戻金にかかる税金まで含めて考える必要があります。制度にはそれぞれ目的があります。目的に合わせて、組み合わせて準備してください。

※本記事は制度の理解のための情報提供であり、特定の金融商品の勧誘を目的とするものではありません。制度の数値は2026年10月時点のものです。税務上の取り扱いは税理士・税務署にご確認ください。

監修:志田俊介

この記事の監修
志田俊介(株式会社ウェルスゲート 代表取締役)
金融商品仲介業者 関東財務局長(金仲)第1007号/所属金融商品取引業者:アイザワ証券株式会社
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