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2026年10月8日

企業型DC vs 小規模企業共済|社長の退職金づくりを6項目で徹底比較。両方使うのが正解?

#企業型確定拠出年金

結論:どちらも「会社から切り離してお金を残せる」よい制度で、対決ではなく共存できます。小規模企業共済は社長個人の手取りから積み立てて所得控除を受ける制度、企業型DC(企業型確定拠出年金)は会社のお金で積み立てて、所得税・住民税がかからず、社会保険料の負担も軽くなることがある制度です。この記事では6項目で違いを比べ、両方使うときの役割分担と、どちらから始めるかまで整理します。

公開日:2026年10月8日 最終更新:2026年10月8日 監修:志田俊介(株式会社ウェルスゲート 代表取締役)

この記事でわかること

  • 小規模企業共済と企業型DCの決定的な違い(お金の出どころ)
  • 6項目の比較(お金の出どころ・税の種類・運用・受け取り・コスト・対象者)
  • 両方使うときの役割分担と、どちらから始めるか

まず、2つの制度をひとことで

小規模企業共済は、社長個人の手取りから退職金を自分で積み立て、掛金が所得税・住民税の控除対象になる制度です。企業型DCは、会社が毎月掛金を出し、加入者が運用して60歳以降に受け取る制度で、掛金は給与を経由しないため、所得税・住民税はかからず、社会保険料の負担が軽くなることがあります。何もしていないより、小規模企業共済をやっているだけでも素晴らしいことです。そのうえで、制度を横に並べたときの違いを、次の3つの目で見ていきます。

  1. お金の出どころを見る:個人の手取りから出すのか、会社のお金から出すのか
  2. 税の効き方を見る:所得税・住民税だけか、社会保険料まで及ぶか
  3. 出口を見る:いつ、どう受け取れるか。年齢と受け取り時期で向き不向きが決まる
動画で見る:【企業型DC vs 小規模企業共済】6項目で徹底比較
関連動画【企業型DC vs 小規模企業共済】社長の退職金はどっちで積み立てる?6項目で徹底比較(企業型DCちゃんねる)【企業型DC vs 小規模企業共済】社長の退職金はどっちで積み立てる?6項目で徹底比較(企業型DCちゃんねる)

6項目で比べる:企業型DC vs 小規模企業共済

1. お金の出どころと、税の種類

小規模企業共済は個人の手取りから出し、掛金が所得税・住民税の控除対象になります(社会保険料は変わりません)。企業型DCは会社のお金から直接積み立てるため、給与口座を経由しません。役員報酬から積み立てる場合(加入選択型)は、その分が社会保険料の算定基礎からも外れます。ただし年収が高い社長は標準報酬月額の等級が下がらないこともあるため、社長にとっては「所得税・住民税が軽くなる制度」と捉えるのが実感に近いです。役員報酬とは別に会社が上乗せする掛金は損金になり、法人税の面でも効きます。

2. 運用と、受け取り(資金化)

小規模企業共済は機構の予定利率(2004年4月1日以降1%)で運用され、自分では運用できません。企業型DCは投資信託や、定期預金・保険などの元本確保型の商品を自分で選べます。受け取りは、共済は任意で解約できますが、加入20年未満の解約は元本割れします。企業型DCは60歳まで引き出せず、50代で始めると受け取り開始が遅れます(もっとも遅い例は59歳で始めて65歳受け取り)。

3. コストと対象者(6項目の一覧表)

項目小規模企業共済企業型DC
お金の出どころ社長個人の手取りから会社のお金から(給与を経由しない)
税の種類所得税・住民税の控除所得税・住民税に加え、役員報酬から積み立てる場合は社会保険料の算定基礎から外れる(等級次第)。会社上乗せ分は損金
運用機構の予定利率(1%)。自分では運用できない投資信託や元本確保型(定期預金・保険)を自分で選ぶ
受け取り任意解約できるが、加入20年未満での任意解約は元本割れ60歳まで引き出せない。開始年齢で受給時期が変わる
コストかからない毎月の運営コスト+導入時の手数料(規約作成・厚生局申請)
対象者経営者(常時使用する従業員20人以下などの条件あり)経営者・役員・従業員
志田俊介

小規模企業共済をやっている、それだけでも素晴らしいことです。そのうえで、社員に金融教育を届けたい、この会社で働くメリットを増やしたいという社員思いの社長には、企業型DCを足す価値があります。

両方使うなら:役割分担と優先順位

注意点

  • 両方やるのが基本:どちらも会社から切り離してお金を残せる制度で、共存できます。企業型DCは2026年12月1日から拠出限度額が月5.5万円から6.2万円へ引き上げられ、年間744,000円。小規模企業共済は月7万円が上限で、年間840,000円。合わせて年間約158万円を、税負担を受けないまま将来の自分に回せる計算です。
  • 共済には従業員数の要件がある:小規模企業共済には従業員数の要件があり、業種によって20人以下、商業・サービス業では5人以下です。ここを超えている会社は企業型DCの一本勝負になります。手元から出ていくお金は同じでも、税金を払ったあとの残りで積み立てるのか、払う前に積み立てるのか。この差が10年、20年で効いてきます。
  • 役割を分ける:小規模企業共済は予定利率で増える「ほぼ定期預金」の扱い(20年で元本確保)。企業型DCはリスクを取ってリターンを狙う運用に使います。両方を元本確保型にすると、将来のお金を増やす力が弱くなります。
  • 出口を先に設計する:共済は20年、企業型DCは60歳が節目です。年齢と受け取り時期を決めてから、金額を決めます。
  • 優先順位:やりやすさなら小規模企業共済から(すぐに入れます)。今後人を増やす、社員の社会保険料負担も見直したい、社員に金融教育を届けたい会社は、企業型DCの導入を検討します。

よくある質問

小規模企業共済と企業型DCは、同時に入れますか?

入れます。両方の控除が使えます。共済は元本確保、企業型DCは運用というように役割を分けて使うのがおすすめです。

社員が20人を超えていても、小規模企業共済に入れますか?

小規模企業共済は常時使用する従業員の人数に上限があり(業種により20人以下または5人以下)、超えると加入できません。社員が多い会社の社長が会社と別に資産形成する手段としては、企業型DCが候補になります。

どちらから始めるべきですか?

すぐに始められるのは小規模企業共済です。社員の採用・定着や、社員の資産形成まで含めて考えるなら企業型DCです。両方を前提に順番を決めるのが現実的です。

まとめ

小規模企業共済は社長個人の手取りから、企業型DCは会社のお金から積み立てる制度です。出どころが違うので、どちらかを選ぶ必要はありません。役割を分けて両方を使えば、所得控除を受けながら、堅く置く部分と運用に回す部分を分散させることができます。ただし、どちらが合うかは会社によって変わります。判断の軸は従業員数と、これからの採用方針です。企業型DCのほうは、その場で試せるシミュレーションを用意しました。掛金と積立期間を動かすだけで、社長ご自身の退職金、会社の社会保険料、求人票の3つがどう変わるか見えてきます。入力した情報が送信されることはありませんので、まずは自社の数字で確かめてみてください。

※本記事は制度の理解のための情報提供であり、特定の金融商品の勧誘を目的とするものではありません。制度の数値は2026年9月時点のものです。税務上の取り扱いは税理士・税務署にご確認ください。

監修:志田俊介

この記事の監修
志田俊介(株式会社ウェルスゲート 代表取締役)
金融商品仲介業者 関東財務局長(金仲)第1007号/所属金融商品取引業者:アイザワ証券株式会社
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